感想日記

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【アニメ感想】クジラの子らは砂上に歌う

クジラの子らは砂上に歌う」は漫画を原作としたアニメになっている。アニメの放送開始日は2017年10月8日、Netflixでも同日に配信が開始された作品だ。

あらすじ

主人公チャクロは泥クジラと呼ばれる、島のような大きな船で暮らしている。外の世界とは一切干渉することがなく、文明もさながら石器時代。泥クジラは舵がなく行き先を決めることが不可能で、勝手に動く泥クジラに身を任せるしかなかった。

しかし、自ら作物を栽培し、稀に降る雨によって、満足のいく生活を送っていた。

あたり一面は砂の海が広がっており、そう簡単には泥クジラから出ることはできない。

泥クジラに住んでいる住民は約500人ほど。そして、その中には2種類の人間に分けられている。それは「印をもつもの」「印をもたないもの」の2種類だ。

「印をもつもの」と「印をもたないもの」の違いは何なのだろうと思った人もいるだろう。どれも同じ人間だが、よりわかりやすく伝えるために箇条書きで説明したいと思う。

印をもつもの

  1. 人口の約9割が「印を持つもの」で構成されており、数が多い
  2. 寿命が短く、30歳前後でこの世を去る
  3. サイミアと呼ばれる特殊能力を使うことができる
  4. サイミアは物体を自由自在に移動させることができる特殊能力

印をもたないもの

  1. 人口の約1割が「印を持たないもの」で構成されており、数が少ない
  2. 寿命は一般的な我々と同じ
  3. 60歳になると、「長老会」に入会することになる
  4. 長老会とは、泥クジラを導く指導者的存在で、泥クジラの秘密を知る者たち

 「印をもつもの」と「印をもたないもの」の違いはこのような感じだ。ちなみに、両親によって「印をもつもの」になるかどうかは関係ないらしく、全くのランダム?になってる。しかし、圧倒的に「印をもつもの」の割合が多く、「印をもたないもの」が普通ではないことになり、不適合者と言うと語弊があるかもしれないが、簡潔に言うとそういうことになっている。

泥クジラで漂流している最中、泥クジラと似たような船に何度が遭遇するが、住んでいる住民は一度も発見したことがなく、物資を回収するだけになっていた。

ある日、いつものように漂流している他の船を見つけ、いざ乗り込んでみると1人の少女リコスが住んでいた。体は衰弱しており、感情を完全に失っていたが、「印をもつもの」でありサイミアを使うことができる。リコスはなぜ感情を失っているのか、リコスはどこから来たのか、多くの謎と共にここから物語は一気に展開していく。

感想

クジラの子らは砂上に歌う」の世界観は完全オリジナルになっているのが特徴的だ。全12話の中で終始、世界観の説明や現状の説明をおこなっていた印象が強かった。

私としては、この世界観はたまらなく良かった。主人公自身目線で物語が進んでいくため、謎だらけでほぼ無知なようなもの。

なぜ、「印をもつもの」と「印をもたないもの」の2種類の人間に分かれているのか。なぜ、「印ももつもの」だけが寿命が短いのか。なぜ、泥クジラは存在しているのか。多くの謎から溢れ出る伏線の数々は拾うのが大変だと思うが、そこが面白いところでもある。

このアニメには1つのテーマとして「感情」というものがある。この感情は人間ならではの喜怒哀楽。物語序盤でてくる「リコス」という少女はなぜ感情がなかったのか。そこも、感情というものを一段深く下げて考えるいい機会になったと思う。このアニメを見るときは是非、感情という一つのテーマにも目を向けてみてほしい。

本作で驚かされたのが「作画」だ。他の深夜アニメと比べても桁違いで綺麗。細かなところまでしっかりと表現されていて、見ているだけで癒やされる感じがした。

意外にこのアニメの一番の高評価ポイントは、この作画という要素だとも思っている。物語の内容や演出が特別悪いわけではなかったが、作画が飛び抜けすぎ。最近のアニメ業界は供給過多で、人手不足が進行しており作画がおろそかになりがちだが、ここまで綺麗だと少し驚いた。

もちろん悪い意味ではなく、良い意味だ。物語の内容を面白くするかどうするかは、1番むずかしい要素だが作画に関しては人手を増やせばクオリティを上げることができる。今の時代求められるのは量より質だ。なので、このような作画が美しい作品がもっと増えてほしいと思っている。

最後に。物語がまだまだ続きそうではあったが、今現在では2期の有無についてはわからないが、円盤の売上によって決まるのだろう。ちなみに本作品はNetflix独占配信になっているので、何らかの支援はうけていると思う。円盤が2期決定までの売上に達しなくても、評判さえ良ければNetflixの力では一応作れそうな気がしたが、厳しそう?なにはともあれ、気長に続編を待とうと思う。

それでは今回はこのへんで終わりにしたいと思う。それでは。